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【2017年10月06日】

山の澄んだ空気、パノラマに広がる緑色の景色、畑の土、芝生が入り交じった香り。周辺には山羊やニワトリに、子供達が餌をあげている最中だ。


今日は都心の生活では味わうことの出来ない体験を楽しみにやってきた。東京から車で約六十分、神奈川県伊勢原市、日曜日、時刻は十三時、風速二メートル、晴天。

一週間ほど前に、友達から誘いがあった。【野外レストラン】夏が終わり、十月上旬の涼やかな季節に、これほど魅力的なイベントはないだろう。断る理由などない。


「お飲み物はこちらからお願いしまーす」ぞろぞろとドリンクコーナーに人が集まり、各々が順番に注文している。


「ソーヴィニョンブラン!!」


前方から男の声が聞こえてきた。


「お」思わず声に出る。


豊富に白ワインの種類があるみたいだが、迷わずソーヴィニョンブランをお願いする。山と畑、動物に囲まれ、簡易テーブルに豪華なアンティパストが並ぶ。そしてワイングラスを片手に芝生を踏みしめているのは変な感じだ。


スッと香りを嗅ぐ、強烈な青草やハーブ、他のブドウとは明らかに異なる強い香り。一度体験すれば二度と忘れることはない。この明るい緑色のワインは、芳香性が高いことが特徴だ。同じ個性的な香りを持つ、フレッシュなシェーヴルチーズなら、爽やかな酸味も同調し、相性が良いはずだ。目の前の山羊を眺めながら。少し後ろめたい。


今見える風景をそのままワインにしたようなもの。言い過ぎではないだろう。自然に囲まれて飲むソーヴィニョン・ブランは格別に美味しいと確信する。真夏にテラスで飲む雰囲気も捨てがたい。この場でこんなことを考えるのは自分くらいか。


まだ、飲まずにイメージを膨らませている。気付けば、周りは賑やかに飲み始めていた。グラスに口をつけようとした瞬間、いつの間にか、「ソーヴィニョン・ブラン!」と叫んでいた男が隣に居る。


「何飲んでんの?」


「白ワイン」


初対面で馴れ馴れしい人は苦手だ。


「ブドウは?」


「ソーヴィニョン・ブランです」


「お、一緒じゃん」


ナンパだろうか。


面倒だ、ゆっくり飲みたい。


男は山羊を指差しながら


「山羊には悪いけど、この酸味と香り、シェーブルか魚介に合わせたいね。もしくはあの畑の採れたて野菜でも」


「お」

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ソーヴィニヨン・ブランの語源はフランス語の「ソヴァージュ(野生的な)」から来たと言われ、早熟で樹勢の強いブドウです。


青々しい風味は、未熟時と、完熟時で大きく味わいが異なるのが特徴的で、未熟時は草っぽい青臭さを特に強く感じますが、熟すとトロピカルな風味に変わります。


前者はフランス、ボルドーに多く、後者はニュージーランド、南島マルボーロ。ニュージランドのソーヴィニョンはトロピカルな夏のイメージ。これから寒い季節は、上品なボルドー・ブランをお勧めします。


金曜の夜、ソーヴィニョン・ブランで今年の夏の思い出を、おつまみにいかがでしょうか。


vivo daily stand全店


今月からシェーブルはじめました。


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